【京都てらなび】臨済宗妙心寺派大本山 妙心寺(みょうしんじ)

「徒然草」にも出てくる日本最古の妙心寺鐘

妙心寺 仏殿

臨済宗妙心寺派の大本山で本尊は釈迦如来。1337(建武4)年、花園法皇(法名は遍行)がこの地にあった離宮を禅寺に改め、参禅の師でもあった大徳寺開山宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう、大燈国師)の弟子関山慧玄(かんざんえげん)を招いて開山。

後醍醐天皇に譲位(1318年)した花園上皇は、禅宗の信仰に帰依し円観(天台僧であったが、比叡山を下りて禅僧となっていた)について出家(1335年11月)した。宗峰妙超・関山慧玄を師とあおぎ、妙心寺開基後(1337年)は山内に玉鳳院(重文)を建て起居・参禅した。

臨済宗で最大の寺院であり、一時期衰退するも細川勝元の外護を得て中興する。応人の乱後で焼失するも、土御門天皇の許しを得て当時の住持(雪江宗深、せっこうそうしん)と弟子たち(妙心寺四派、竜泉・東海・霊雲・聖沢)の活躍で再興を果たし、臨済宗における妙心寺派は隆盛を極めた。江戸時代にも有名武将の厚い帰依を得て諸堂が建立される。自然豊かな山内に46の塔頭が建ち並ぶさまは圧巻で、法堂(1656年建造)の天井には狩野探幽の大傑作「雲竜図」が描かれ、その八方にらみの竜の迫力も見どころである。

698年の銘のある日本最古の妙心寺鐘(黄鐘調鐘、おうじきちょうしょう)は「徒然草」においても「およそ鐘のこえは黄鐘調なるべし」と讃えられるもの。もとは後嵯峨院(1220~1272)の亀山殿浄金剛院にあった鐘であり、黄鐘調として天王寺六時堂の鐘と並び賞されていた。

塔頭寺院の多くは非公開で「法堂と浴室」「退蔵院」「大心院」「桂春院」は通年公開されており、魅力ある庭園を多数有している。

東海庵 限定公開

各塔頭寺院が特別公開されることも

大方丈の前門

【名称】 妙心寺(みょうしんじ)
【住所】 右京区花園妙心寺町64
【電話番号】 075-461-5226